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未来経営ラボインタビュー「数字は語らせるもの」― ログラボ社CFOが語る経営の翻訳術
インタビュー

「数字は語らせるもの」― ログラボ社CFOが語る経営の翻訳術

インタビュー: 経営者と現場をつなぐCFOの仕事

ARTICLE COVER

1. なぜ「コックピット」なのか

これまでの月次決算は、過ぎ去った時間の答え合わせだった。しかし2026年の経営環境は、過去の延長線上に未来を予測できるほど穏やかではない。為替・金利・賃金・地政学。複数の不確実性が同時に走るなか、CFOに求められているのは「説明」ではなく「操縦」である。

本稿では、現役CFO経験者の視点から、月次の数字を経営判断のためのコックピットとして機能させる、実務的な設計指針をまとめる。

会計は「過去の記録」から「未来を導く羅針盤」へ。― MIRAIKEI ステートメント

2. コックピットを構成する4つのレイヤー

機能するダッシュボードは、概ね次の4階層に整理できる。粒度を混ぜると、経営会議は「数字の確認会」に逆戻りする。

レイヤー1: ポジション (現在地)

残高・残預金・受注残・MRRなど、ある時点でのストック指標。日次〜週次で更新する。

レイヤー2: フロー (足元の流れ)

売上・コスト・営業CF。月次決算で確定する数字。前年比、計画比、3ヶ月移動平均の3軸で見る。

レイヤー3: ドライバー (先行指標)

パイプライン、解約予兆、採用充足率。フローを生み出す力学そのもの。ここが薄いコックピットは、未来を語れない。

レイヤー4: シナリオ (未来の選択肢)

3〜12ヶ月先の楽観・基本・悲観プロジェクション。月次でローリング更新する。

3. 設計時の落とし穴

多くの企業が陥る失敗は、レイヤー2(フロー)のKPIを増やしすぎることだ。ダッシュボードの主役はレイヤー3と4でなければならない。

  • 指標は8〜12個に絞る。多すぎる指標は、何も語らないのと同じ。
  • 「赤くなる条件」を事前に定義する。閾値のない指標は、装飾でしかない。
  • 所有者を決める。数字は人につけてはじめて、経営の言葉になる。
WRITTEN BY
I伊藤 美穂MIRAIKEI 編集部 / シニアエディター

経済誌の記者を経て参画。スタートアップから老舗企業まで、500人以上の経営者にインタビューしてきた経験を活かし、現場のリアルを伝える。